かてーきょーし

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残り2回。 俺と赤坂は、遂に勉強道具すら出さず、相変わらず恋バナに明け暮れていた。 「ロールケーキ、喜んでくれたかなぁ…」 「大丈夫だよ、喜んでるよきっと…」 「そうかなぁ…」 しばらくすると、母さんがアップルパイを持って部屋に来た。 いつもよりも1時間も早い…って言うかまだ30分しか経っていない。 俺と赤坂は焦り、急いで勉強道具をだした。 「ああ、お母さん、勉強してますよ‥ってアップルパイじゃないですか!!」 「あはは、早く作りすぎたわね‥赤坂さん、アップルパイが好きだって言ってたから」 その言葉を聞いた赤坂は、目に涙を溜め、思わず叫んだ。 「ありがとうございます!僕、こんなに女性から優しくしてもらったの初めてです!」 「私も‥こんなに喜んでもらえたの‥初めてですよ…」 確かに、父さんは、母さんに何をプレゼントされても、何を作ってもらっても、無表情だったっけな… 妙な空気になり、その日はとても楽しく過ごした。 アップルパイとブルーベリーのロールケーキを囲み、さながら誕生日パーティーのようだった。 本当の家族のようだった…
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