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「何かがこっちに向かってる」最初に気づいたのは耳のいいヤヨイだった。
「どこからだ」
「西門の方、単独だけどそう遠くないよ」
それを聞いて隣が準備を始めてこちらを見る。『目は口ほどにものを言う』とは言うが俺の隣、屑鉄ソウキの目は好奇心しか俺に語らなかった。
「よし、ソウキは調査に向かってくれ。ただし誰か一人連れていけ」最後の一言に対して明らかに不満げだ。どうやら一人で行くつもりだったらしい。
「万が一の時に備えてだ。用心深いに越したことはない。それに一人で行くとどうなるか分かったもんじゃないからな。」
「ああ、あいつが」お前がだよ。
ソウキは「んじゃ」と言うと勢い良く部屋を飛び出していった。
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