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「ねぇねぇ、今日、何の日か知ってる?」
忙しい中、2人まったりと過ごす眠るまでの僅かな時間。不意の問い掛けに俺は釣り雑誌から眼を放し恋人の顔を覗き込む。
ニコニコと楽しげな顔が愛らしいけれど、どこか含みを持たせた笑顔に感じられて、俺は内心首を捻った。
「今日って、まだ日付変わってないから……、11月22日か?知らねぇ」
何かあったっけ?
お互いの誕生日でもないし、記念日ってこともない気がする。
いったい何の日なんだろう?
俺から答えが出ないと悟ったらしい恋人が些か得意気な声色を発する。
「11月22日って、“いい夫婦の日”なんだって!」
「へぇ……そうなんだ」
流石はキャスター。いろんなこと知ってんな。なんて感心しながらも、俺にとってはまったくもってどうでもいい回答に気のない返事が出た。
再び釣り雑誌に視線を移そうとした時、恋人の言葉に驚かされる。
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