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こんなことを自分から訊ねるのは甚だ気恥ずかしいのだけれど。
やっぱりこういう類のことは、お付き合いをしていたら自然と不定期に気になるものなのだ。
「あのさ」
「ん~?」
釣り雑誌を熟読中の恋人はぴくりとも動かないまま生返事。
問い掛けに顔くらいは上げてくれるだろうと期待して質問してみる。
「ねぇ、俺のどこが好き?」
「顔」
愛しい恋人はやっぱり身動ぎひとつせず、間髪入れず答えてくれた。
(顔!!顔かぁ~…)
すぐさま出てきた答えが外見。些か気落ちしたけれど、それだけではなかろうと期待して、俺は怖る怖る問い掛けてみる。
「ほ……、他には……?」
「え~…、他?他には~…えぇっと……」
恋人がそう呟いて沈黙が降りてきた。
めっちゃ考えてるよ!
しかも、やっぱり釣り雑誌熟読中だよ!
顔すら上げてくれないよ!
「えっと~……」
釣り雑誌から視線を外さないまま小さな声を漏らす恋人。
いや、もう既に考えてくれているのかすら疑わしいよ!
「も……、大丈夫でした……」
「あ、そう?」
父さん!母さん!ありがとう!
この顔に産んでくれて!
お陰で愛しい人と交際中です!!
END
Sサン不憫(笑)
11.12.02
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