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「気をひこうとしても無駄よ」
穂瑠がゼルを放り投げだそうとした時だった
「またぬいぐるみと喋ってる?」
穂瑠が驚き振り返ると昨日の少女が穂瑠の背後に立っている
「えはっ
いや、これは違うの!」
少女はコクリと小首を傾げる
「ぬいぐるみ、しゃべるの?」
穂瑠はなんとも言えない不安に襲われる
絶体絶命の大ピンチ
昨日と今日といい、穂瑠は隠し事ができず、嘘やはったりがきかない自分はスパイには向いていないことを悟った
そんな穂瑠の気持ちを知らないゼルは、振り上げられた穂瑠の頭上でジタバタもがいている
いくら質量がなくとも些か面倒だ
「えっと……
これは……その……」
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