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「どう?
楽しい?」
穂瑠はすっと腕を引きゼルを膝の上にのせる
「すごーい!
ぬいぐるみが本当に喋ってるみたい」
「本当にゼルが喋ってるぜ~」
「こら、ゼル!
君はぬいぐるみだということわすれるな」
「ゼルは妖精さんだぜー」
穂瑠はゼルを自分の目の高さに合わせ、叱ってみる
どうやら穂瑠は腹話術の真似をしているようだ……
実際はゼルが喋っているのだが、少女はゼルが本当にぬいぐるみが生きているようにみえたのだろう
「あなたの名前ゼルっていうの?」
少女も穂瑠と一緒に座り、ゼルに話しかけてくる
「ゼルはゼルだぜ~」
「じゃあ、ゼル
さっきはぶつかってごめんなさい
これ、あげる」
そういうと少女は色鮮やかな花の刺繍が施してあるポシェットから何かを手渡した
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