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「なんなんですかー、これはー」
暗い王宮に素っ頓狂な声がこだまする
薄暗く赤い炎にゆらめき照らし出されたのは気を失っているカライナーだった
「なんだい、なんだい、変な声だしてー
おや、カライナーじゃないかい
何があったんだい、ハラペーニョ」
高下駄をなり響かせ現れたのは、ウェーブした髪が色っぽいワサビーナ太夫がシャナリシャナリとこちらに向かってくる
着崩した着物からのびている足なかなか魅力的だ
「あ、ワサビーナ太夫
いや、私にもなにがなんだかさっぱりで……
私たちが移動に使う、亜空間扉が空中に現れたかと思ったらカライナーが降ってきたんですよ
普通なら、プラズマリングが発生してちゃあんと扉が縦に現れるじゃないですか
だから、空中にあるのが不思議で不思議で
ワサビーナ太夫はどう思いますー?
そして誰も出てこないんです」
そういうとハラペーニョ氏は空中に浮いている亜空間扉を指さす
「うちが知るわけないじゃないかい
さっさと片付けておしまい」
ワサビーナ太夫もつられて見上げてみるが、あまり興味がないらしくハラペーニョ氏に背を向け歩き始めた
「えぇー
私独り、がですか」
ハラペーニョがなんだか不服そうに独り言を呟く
「何か言ったかい?」
ワサビーナ太夫が威圧的にハラペーニョを見下ろす
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