うそうそ、準備ができてない

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またカラシネアが小瓶を取り出す すると花椒は蓋を開けさせまいと、カラシネアの腕に飛びついた カラシネアはもう片方の手で花椒を払いのけようとするが、まるで絡みついた蛇のように離れない 「花椒!邪魔をするんじゃないよ!」 「お姉ちゃんはいぢめないで!」 「何を言うんだよ!」 カラシネアは再び手を頭上にかざすと、そのままの勢いで花椒にぶつける 「ファオジャオ!」 結友と美勇は妖精たちを片手で抱えると、もう片方の手で穂瑠を抱き留める 二人は穂瑠が駆け出さないようにするのが精一杯で、花椒の方は視界に留めるだけだった 「ファオジャオ! こっちおいで!」 「あかんて、穂瑠」 「穂瑠ちゃん……」 「穂瑠ちゃま……」 穂瑠は二人の腕を振り払おうとするも、なかなか堅固でファオジャオに近づけないでいる 「なんなら花椒 このラーのオイルをお前にかけたっていいんだよ」
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