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「邪魔するんじゃないよ、ワサビーナ!」
カラシネアはつかまれた腕を振り払う
「ちょいっと、アンタ
もう少し花椒に愛情持って接したらどうなんだい?」
「余計なお世話だね!」
カラシネアは舌打ちするようにワサビーナ太夫に背を向けた
「おっと」
亜空間に浮遊していたラーの小瓶が落ちてきたのをワサビーナ太夫が受け取る
それを視界に捉えていたのか、カラシネアはひったくるように乱暴に奪いとる
「あらいやだ、怖いわね~女のヒステリーは
駄々っ子じゃないんだから、お礼の一つや二つ……」
ワサビーナ太夫は手のひらを頬につけ、まるで呆れたようにわざとらしく派手にため息をつく
「もっと上手にやらないと男爵様にすてられんじゃないかい?
四天王が一人レディ・カラシネア?」
ワサビーナは嫌みたっぷりに含みわらいをしながらお辞儀をする
レディ・カラシネアはまるで空気を睨みつけるように足早に王宮をさっていった
「太夫……」
すると、ワサビーナ太夫の足元で誰かか着物を引っ張るのに気づいた
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