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次の朝、窓辺に置いた植木鉢に水をやっていると、ふと窓の外が気になった
通り過ぎる何人かの人が穂の家を見ているのだ
穂瑠からは塀が死角になり、何を見ているのかわからないが確実にこちらを見ている
穂瑠はいやな予感がした
サラリーマンはチラッと見ただけで見ないふりをしているが、小学生はなにやら叫びなが近づいている
自転車で通り過ぎる女子高生は興味ないようだが、あとから歩いてくるグループの女子高生は何かを見つけ叫んでいる
幼稚園児に至っては指をさして、一緒にいる母親に何か訴えている
「ママ、あれ可愛い、買って~」
「あれは、誰かの落とし物かもしれないし、ここの家の人のものかもしれないでしょ」
「ほしい、ほしい~」
「幼稚園行く前に我が儘言わないの!」
母親は地団駄踏んでいる少女をなだめているではないか
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