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穂瑠が下駄箱に手をかけようとしたとき、あちらから勢いよく扉が開いた
「まってたぜ~」
穂瑠からは全身汗がでそうなほど驚き、息はつまってしまった
心臓はほんの一瞬止まったかもしれない
「な、な、な、な、なんでいるの?」
「ずーっと待ってたぜ」
「ずーと?」
「ずーっとだぜ~」
ずーっと待ってる割には諦めや怒りの表情はなく、あっけらかんとした乾いた表情だった
このぬいぐるみが何時間も健気にずーっと待っていたと思うと、穂瑠半ば半信半疑だった
「私が来ないとはおもわなかったの?」
ぬいぐるみは下駄箱ひょいっとジャンプすると手提げによじ登り、中におちていった
「おもわなかったぜ
だってあれがないとかえれないんだぜ」
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