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そしてストンと、手提げだけが外の世界に投げ出される
｢ああああああ｣
手提げの中からぬいぐるみの悲鳴が聞こえる
｢くくくっ、スプーンはどこだ｣
男は袋から乱暴にぬいぐるみを取り出した
｢す、す、スプーンはまだ…だぜ
お…前たちの…好き…にさせな…いぜ｣
ぬいぐるみは男の手の中にすっぽり入り、首をしめられて苦しそうに顔をしかめている
｢カライナー、やれ｣
男は赤黒いゼリー体の中にいる穂瑠を見上げる
すると、男のかけ声とともに、今まで息ができていたゼリーの中が急に苦しくなった
手提げを取り返すため、ゼリーの中を叩き、暴れまわったせいか、それとも先ほどかつてない勢いで走った疲労のせいもあるのか
そして息ができなくなると、同時に意識が朦朧としてきた
こんな変なものの中で自分は死んでしまうのが
死んだ後、自分の遺体が道端に転がっていたら大騒ぎになるだろう
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