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「ただいま~」
穂瑠は息を切らして玄関に飛び込むと慌てて鍵をしめる
追跡されている様子はないが、念のためだ
やつらがやってくればこの家も破壊されてしまうのだろうが、やはり家に帰ってくると安心する
「お帰りなさい
あらどうしたの鍵なんかしめて
しかも息荒いじゃない
何かあったの?」
穂瑠は何が起きたか話そうと思ったが、自分が起きた体験をありのままに語るのは躊躇われた
まるでテレビの世界の出来事すぎて信じてもらえるわけがない
穂瑠はどう説明したらよいか悩んだ
「へ、変な人が……」
「まあ、変質者がでたの?」
母親は目を丸くして驚いている
「ち、違う違う
学校の先生が最近多いから気をつけてって
だから怖くて走って帰ってきたの」
咄嗟に出てしまった嘘だが、あながち嘘ではないだろう
あの顔の赤い男は確かに人間のようだが、変だった
生死をさまよったのだから、一般的な変質者よりたちが悪いだろう
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