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「あ……」
確かに今日の不毛な修行は二人が自分のためだとわかっていたが、頭に浮かんだ母親が消えて離れることはない
寄り道する友達がいない穂瑠の帰宅時間が遅いことは、きっと母親の頭痛の種になることには間違いはない
穂瑠は今すぐにでも飛んで帰りたい気持ちがいっぱいで、心は既にここにはない
「ちょっと、結友
今日でいきなりは難しいから、また明日にでもやりなおしましょ」
結友も穂瑠を察してか、美勇の言葉に素直に従うことにした
「せやな
ペッパー帝国の奴らがきよってもうちらがいるから大丈夫け」
結友がそう言うと手のひらヒラヒラさせて穂瑠に向ける
帰ってもいい、という合図だろう
穂瑠はペコリと頭を下げる
果たして今日の修行は意味があったのかさえ不明だったが、放課後誰かと何かすることは穂瑠にとってくすぐったいものがこみ上げる
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