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叶恵はそのときの自分が今目の前にいる少女と重なり放っておくことができなかった
「大丈夫?」
少女は頬を叩かれた精神的ショックからなのか、放心状態だ
母親はヒールをならし、どんどん遠ざかっていく
叶恵は出過ぎた真似だと思ったが、頬を押さえる少女の手にそっと右手を添えた
少女はゆっくり叶恵の方を振り向く
「大丈夫?お母さんいっちゃったよ?」
優しく声をかけると少女は当たりをキョロキョロと見回して驚いた様子だ
本当にピョコン・ピョコンという効果音が当てはまるようなあわてぶりで走って消えていった
叶恵は少女の姿が曲がり角で消えるまでやや呆れ笑顔で見送る
すると、少女のさった後にキラリと光ものが道路に落ちていた
先ほどの少女が落としたものだろうか
叶恵は最近変なものをよく拾うな、と青いきれいなガラス玉を拾いあげた
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