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「ゆ~れ~る~ぜ~」
肩から下げるピンクの鞄からゼルが顔をだして楽しそうにさけんでいる
「穂瑠ちゃま~
いそぐぜ~
急がないとちこくぜ~
あ、けど安全運転でよろしくだぜ」
「え?何?
聞こえない?」
カタカタ揺れる鞄の中の音と、遅刻寸前猛ダッシュしている穂瑠にはゼルが何を言っているかそれどころではなかった
「安全運転よろ、うぎゃっ」
脇と腕に挟まれて、ゼルは袋の中におちる
「何?何なのよ」
袋をつかみながらよじ登り、再び顔をだす
「ぷあっ
安全運転だせ~」
「なにー?」
「安全運転だぜ~」
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