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「なにー?
安全運転てー?」
穂瑠は腕を大きく振り、歩幅を広く走り続ける
「穂……瑠ちゃ…まが走……ると、ゼルが落ちるんだぜ」
体制を整え、袋にしがみつくも、走る穂瑠の揺れと腕にもまれゼルが袋の底に何度も落ちてはよじ登りの繰り返し
「落ちるぜ~」
笑いながら、叫ぶ様子をみると困るどころかなにやら楽しんでいるようだ
「穂瑠ちゃま~
急ぐぜ~
遅刻ぅ~」
ゼルの声に応えるように穂瑠は走る速度を速める
「ゼルが落ち……るから…あ……んぜ……ん運…転でよろしくぜ」
(何安全運転よ
そんなんじゃ、遅刻じゃない)
完全無欠、品行方正、成績優秀
そんな穂瑠には遅刻はゆるされるものではない
理由が寝坊ならなおさらだ
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