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ケロッとした表情で言う母に思わず頭痛がしそうだ。
「お願いだから、順を追って説明して」
こめかみを押さえながら言う美優とは対照的に、母はニコニコしながら話始める。
「お父さんの会社の社長さんが、「急だけど明日からイタリア旅行に行かないか？」って言ってくれたのよ。元々は社長さん夫妻が行く予定だったらしいんだけど、急に奥さんの都合が悪くなっちゃって、行けなくなっちゃったんですって。でもキャンセルするのももったいないし、良かったらって…。もう明日なんて急過ぎるわよ～、困っちゃう～」
と、言いつつも全く母の顔は困ったように見えない。
両親が忙しそうにしている理由はわかったが、何故自分も一週間分の荷物を準備をしなくてはいけないのだろう、と新しい疑問が美優の頭に生まれる。
「そのイタリア旅行って私もついて行っていいの？」
「美優の分はチケットがないのよ。だから、美優は私達が旅行に行ってる間預かってもらうことしたわよ」
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