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「お母さんもそう思ったんだけどね…」
母は、目を伏せて一枚の紙を美優に差し出す。
「これ見て」
「…変質者…出没…?」
母に見せられた紙には、「変質者出没!注意!!」と大きく書かれていた。
「そうなのよ。最近暖かくなってきたからか、ここの近所に出たらしいのよ。最初は美優一人でも大丈夫だと思ったんだけど、町内会からさっき緊急で配られてね、お父さんとも相談して、幹ちゃんの所に預かって貰おうってことになったのよ」
「で、でも幹二だって私なんかが急に行ったら迷惑だろうし…」
何としても、回避したい。
今の美優に取って重要なのは、変質者より幹二との同居を回避することだ。
しかし…。
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