闇ニ咲イタ花

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俺は自分の机から椅子を引き出して座った。 「面白い話って何だよ」 アキラの顔がニヤリと歪む。エロい話をする時、アキラはいつもこの顔をする。 「石部圭子ちゃんを見ちゃったのよ。ぶははは!」 言っている意味が分からん。つーか、エロ顔で石部の名前を出してきた事に、少しだけイラっとした。 詳しい事は、小池が教えてくれた。 どうやらアキラは、昨日の夜中に石部圭子を見かけたらしい。石部は駅の近くにある廃ビルの中に、一人で入って行ったそうだ。 「廃ビルって、去年まで塾だったとこだろ?それの何が面白いんだよ」 「密会だぜ!密会!やべーだろ!」 アキラがニヤけながら騒いだ。 「オサム君は石部さんの噂知ってる?」 「噂?」 小池は得意気に、石部の噂について説明した。
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