493人が本棚に入れています
本棚に追加
小池が言うには、石部が援交しているって噂が密かに出回っているらしい。
石部が夜中に知らないオヤジと、仲良さげに歩いているのを、4組のヤツが見掛けた。というのが噂の発端だそうだ。
悪趣味だな……。
「そのオヤジって、石部の父親じゃねーの?」
「だから確かめに行くんだよ。オサム君も気にならない?石部さんが夜中に廃ビルで何をしていたのか」
確かに、気にならなくは無いけど……。
「オサムちゃん、行こうぜ!夜中に密会だぜ!廃ビルで肝試しだぜ!」
アキラが無邪気にハシャぐ。肝試しって、もう秋だけど……。
「分かった。行こうぜ」
夜中に廃ビル探索なんて面白そうだし、石部がそんなとこで何していたのかも少し気になった。
アキラが石部を見掛けたのは深夜24時頃。俺達は24時に駅前のコンビニに待ち合わせる事にした。
小池は部活に行き、俺とアキラはいつも通り下らない話をしながら家に帰る。
何の変哲もないただの日常。平凡な俺の、平凡な日常だった――
最初のコメントを投稿しよう!