哀レナ仔羊達

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俺は焦った。このままでは他のプレイヤーに顔を見せられない。 「他に方法はないの?細胞調べたりさ」 「うむ……砂漠の中から石ころを見つけ出すようなものじゃ。すまないが、これからおぬし自身が様々なことを経験して行く上で見つけるしか方法は無いじゃろう」 ようは行き当たりばったりってことか……。 「どーでした??」 機械の奥からケイコが顔を覗かせた。 「ああ……ギフト判んないってさ」 「えー!?本当に!?」 「うむ、折角来てくれたのにすまんのう」 「いえ……林教授もお忙しいのにありがとう御座いました。じゃあ、オサムくん訓練行こうか」 ケイコは林爺さんにお辞儀をすると、機械の奥に戻って行った。 「それじゃあ、どーもでした」 ケイコの後を追って俺も入口に戻ろうとしたとき、爺さんに呼び止められた。 「ちょっと待ちなさい」 足を止めて振り返ると、爺さんが真剣な顔をして俺を見ていた。 「おぬし、“フィードバック”って言葉を知っておるか?」 「“フィードバック”?」 「うむ、おぬしの行動が与える、自身や周りの人への影響のことじゃ。おぬしが選択し、した行動はおぬし自身にも周りの者にフィードバックされるんじゃ」 突然始まった爺さんの説教に戸惑う俺。 爺さんはそんな俺に構わず説教を続ける。 「これからおぬしが迫られる選択の如何によっては、人類の未来はどうにでもなる。よいか、“人類の未来はお主自身の選択に掛かっている”のじゃ。これだけは忘れるでないぞ!」 爺さんが言ってる事がサッパリ理解できなかった。 ハア?何で俺の選択に人類の未来が掛かっているんだ? 人類の未来はプレイヤーが勝つかどうかだろ。 爺さんまたボケはじめたのか? 俺が疑問を口に出そうとすると、爺さんに遮られた。 「さあ、分かったならサッサと出てってくれんかのう!研究の邪魔じゃ」 なんだこの爺さん、待てって言ったり、出て行けって言ったり……。 俺は来たときと同じく、イラつきながら爺さんの研究室を後にした。
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