493人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらく沈黙が続き、ケイコは申し訳無さそうに俯く。
「ごめんなさい……。オサムくんには、必要な知識をちゃんと勉強しておいて、貰いたいの」
「あ、うん。そーだよな、ケイコの足手まといにならないよう頑張って勉強するわ俺!」
気にしてないところを見せるため、目の前の冊子を手に取ってみるが、ケイコは相変わらず俯いたままだった。
「うん。ごめんね」
「いやー、ケイコにキレられるのこれで2回目だな。ぶははは」
「うん。それじゃあ、わたし行くね。頑張ってね」
「任せなさい!」
気まずい空気が流れたまま、ケイコが部屋を出て行ってしまった。
暫くして、講師と名乗るセンターの研究員が来て授業が始まる。
俺はどうしてケイコがそんなに怒ったのか、理解出来ないまま授業を受けた。
しかし、代わる代わる違う研究員が来てやる授業は意外と面白く、いつの間にか授業に没頭していた。
授業が終わり、家に着いた時には24時を回っていた。
俺は久しぶりに頭を使ったお陰か、夢を見ることもなくグッスリと寝た。
最初のコメントを投稿しよう!