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トクさんにはたっぷり30分も説教を食らった。もう懲り懲りだった。
明日は遅刻しないようにしよう。いつもそう思うが、上手くいかない。
多分明日も俺は遅刻するだろう。
廊下の窓から外を覗くと、カップルで楽しそうに下校していく生徒を見かけた。
……俺も彼女ができれば違うのかな。
頭に石部圭子の姿が浮かぶ。
「はぁー」
随分と馬鹿げた考えに溜め息をつき、教室へと戻る。
教室の中は既に人がまばらだった。アキラは俺の机の上に座って小池と話をしている。
アキラが俺に気付き、手を振ってきた。
「オサムちゃん、遅かったじゃねーか!今ちょうど面白い話をしてたとこだぜ」
小池も俺の方を向きニコニコ笑っている。
小池はアキラの幼なじみで、チビのメガネのお調子者。
勉強もスポーツも大してできないが、口だけは達者。
ドラえもんで言うところの、小池がのび太だとすれば、アキラはジャイアンで、俺は何もしないデキスギって感じか
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