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「では、姫様……ルーレットをお願いします」
ハトリの言葉に、ナナカがビクッと身を震わせる。
言われることは分かっていたが、いざその時になると、やはり手が震えた。
「わ、わかりましたの! ここは姫である私がやるべきですのね!」
ナナカが決意したように召還球に手を載せる。
すると、周りのルーレットが一斉に回りだした。
「姫! 念じるのです! あなたが求める勇者をイメージするのです。そうすれば、召還球は必ずや応えてくれるでしょう!」
ハトリの言葉に、ナナカが頷く。
リアは手を合わせて祈りを捧げ始めていた。
(私に全てがかかってますの……! 力と、賢さと…素早さあたりがいいですの!? あ、医術なんてのもありますのね!? 迷いますの…)
めまぐるしく変わるルーレットの文字に、ナナカが焦りを覚え始める。
「姫、リラックスです! リラックスした状態で止めれば、きっと上手くいきますよ!」
「そうですのね……わかりましたの! ルーレット、止まるですの――ッ!」
ナナカの言葉に反応し、ルーレットがピタッと止まる。
リアが、ハトリが、ナナカが、祈りを捧げていた目を開き、結果を見た。
そこには――
→変態
→変態
→変態
「やりましたね、姫! 異世界から選ばれし変態が三人も来ますよ! これで魔王なんてイチコロです!」
「いやあああああああ! そりゃないですのおおおお!」
「終わりやこの国」
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