始まりと挨拶

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「ふぅ……」シグは顔を上げ、煙を吐いた。「分かったよ、担任すりゃいいんだろ?」 最初から拒否権はないのだろう。シグは諦念混じりにそう言った。 「いい返事が聞けて嬉しいよシグ先生。じゃあ、クラスの説明を聞くかい?」 「いいよ。どうせSクラスってことは頭のいい奴らばかりなんだろ?それだけ分かりゃ十分だ」 「そうかい?なら説明は以上だね。……あ、そうそう、校舎はもう見たかな?」 「見た。でかいな」 なんとも簡単な感想である。 「ははっ、これだけ生徒が多いとね、これでもまだ足りないくらいだし」 マジかよ……とシグは小さく呟いた。 「なら校舎の案内は必要ないか。じゃあ次に、シグ先生には他の教師に挨拶してもらおうかな」 と、その時、学園長室の扉がノックされた。 「時間通りだね……入っていいよ」 カールの声を合図に、扉が開かれた。 ガチャ。 入ってきたのは若い男性。金髪を適度に伸ばし、常に笑っているかのような糸目をしている。背はシグよりちょっと低いくらい、どことなくヘラヘラしているように見えた。
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