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「あ~、今紹介された新人のシグ・クラドネスだ。歳は二十三、人間、ギルドランクはSS、担当は魔法戦闘学。今年から教師やるから至らないところはあるかと思いますが、どうぞよろしく」
…………。
なんとも微妙な空気。
これはシグの丁寧なんだかぶっきらぼうなのか判断しにくい自己紹介のせいなのか。または別のポイントでこうなったのか、全く分からない。
(な、何だ?この葬式みてぇな雰囲気)
流石のシグですら気まずい酸素が死んだかのような空間。誰も動けないいや、動きたくないムードの中で、この男は違った。
「自己紹介終了やな?ほな先生方これからシグ先生をよろしくな」
イーリ。彼だけは死に絶えた空間をものともせず、シグの肩を掴むとさっさと職員室を出てしまった
職員室を出てから、イーリはシグを連れて来た道とは逆の方向に進み出した。その表情はやはり明るい。
「いやぁ~先生方ってシャイやな。皆黙っとるんやもん」
いや、あれはちゃんとした原因があったはずだが。……やはりイーリはムードブレイカーと呼ばれる者らしい。
……それに対して何も言わないシグもシグだが……。
「にしても、シグ先生ランクSSやったんたな。びっくりしたわ」
イーリは急に話を変え、びっくりさを感じさせない口調で言った。
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