始まりと挨拶

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イーリの発言に、シグは顔色を変えずに応えた。 「まぁな。ここにくる前はギルドで食い扶持を稼いでたし、自然とランクは上がったよ」 ここでギルドについて説明しておく。 ギルドとは【クスラス王国】に一つだけある組織である。 中身は騎士団が手の回らない依頼、主に民間からや人間以外の種族からの依頼を受け付けている。騎士団のおまけ的存在とはいいつつも、組織そのものはでかく、今や国民の八割、国民以外にも多数の種族が登録している。中でもギルドを取り仕切るギルドマスターは大臣と同等の権力を持つとして有名である。 次にランク。 ランクは全部で八つあり、下からE、D、С、B、A、S、SS、SSS、となる。 主に学生はC以下が基本で、ギルドで働く者の平均はAくらいである。 シグはSSに自然と上がったと言っているが、そんな簡単にいくものではない。現に、国内でのSS保持者は五十人に満たない。SSSに至っては十人もいないらしい とまぁイーリがシグのランクを聞いて驚いたのも、納得はできる……はずだ。 「すごいなぁ~、SSが身近にいるなんて自慢の一つやわ。今度合コンで言ってええか?」 「勝手にしろ。それより、お前のランクはどうなんだ?」 「ん?わてか?わてはSやな」
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