始まりと挨拶

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超有名学校の名は伊達ではなかったようだ。 千人以上の生徒を迎え入れる校舎は、恐らく【クスラス王国】内では王の城次いで広いであろうくらい大きかった。 またグラウンドや戦闘で使用する闘技場は、学校にしては十分すぎる程だった。 「んだよここ……本当に学校か?」 呆れと感嘆の混じった声で、シグは校舎内を視て回っていた。 (やっぱ金の使い所間違ってんだろ) そんなことを思いながら彼は三十分程校舎を歩き潰し、今はとある扉の前に立っている。 ある魔樹を使ったんだろう扉は高貴な雰囲気を醸しだしながらも、魔力を通さない造りになっていた。そして何故だかは分からないが、ドアノブには小さく、『学園長の部屋』と彫ってあった。 「ここだけど……」 (ドアノブに文字って、学園が変わってりゃ学園長も変わってんのか?) まだ見ぬ学園長の姿を予想してうんざりするシグはドアノブの文字を確認して、コンコンとノックをした。 「……どうぞ」 返事を聞いたシグはドアノブを回し、中に入った。 「失礼します」 豪華な扉とは違い、中は質素の一言だった。 あるのはいくつかの本棚にテーブル。そして扉から見て正面にデスクがあり、そこに一人の人物が座っている。
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