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「成る程……授業の仕方はどうすればいい?」
「全てシグ先生にお任せしますよシグ先生がどんな授業をしようと、僕は学園長として黙認します」
「黙認って……」
学園長らしからぬ単語に、シグは小さく笑った。
「おや?黙認という言葉が悪いなら変えましょうか、ーー僕は、あなたを信頼しているんですよ、学園長としても、僕としても」
柔らかな目つきを真摯なものに変えたカール。その様子から、嘘は全く感じられない。
「今日初めて会った俺に信頼なんておかしな話だな」シグはクククと笑い声を漏らしていた。「ま、口出しされないなら好都合だな。規制がないぶん、やりやすい」
「お願いしますよシグ先生。あ、もちろん他の教師には内密に。新任の教師を学園長が贔屓するなんて、納得しないでしょうから」
「了解。……んで、話はまだ?」
シグの問いにカールは「もちろん」と笑みを浮かべ、紙の続きを読んだ。
「シグ先生には担任を持ってもらいます。クラスは2-S、二年生では最も優秀な「ちょっと待て」……はい?何ですか?」
カールの言葉を遮り、シグはソファーから身を乗り出していた。その表情にシグには珍しく、焦りが見える。
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