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「……なんでまた、そんな大金を」
トラジの目を真っ直ぐ見つめながら
極月が問いかけると
「う………む……」
黙り込むトラジの様子に
何かワケがある。
大金を動かさなければならない何かが。
………もしかして…
極月はある事を思い付いた。
「トラジはん。
いきなり1億ものお金を何も聞かずに受け取る訳にはいきまへん。何か、ありますやろ?」
ゆっくりとした口調で極月が聞いた。
トラジはまだ言うか言うまいか
悩んでる様子だった。
「ワテの考えを聞いてくれますか?」
もう一度、畳み掛けるように極月が聞いた。
そんな極月をトラジが凝視する。
「もしも違ってたら、すんまへん。
『脱税』ちゃいますか?」
極月の言葉にトラジは驚きを隠すこともせず
考えが図星だった事がわかった。
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