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真剣な顔の祖父に聞き返す。
「頼み?」
「そうじゃ。
これから東京のトラジの所へ行ってくれへんか?」
「え?トラジはんの所へ?」
「そや。
トラジが極月に頼みたい事があるらしい。
明日は学校休みやろ?
祖父さんからの頼みじゃ」
「構わんよ。で、何時に出発するん?」
「トラジのとこの若いもんが
もう車で向かってるさかい
あと……そやな、一時間くらいで着くやろ」
「わかりました。
これから出掛ける支度せなあかんわ」
「急で悪いな。ほら、小遣いやるわ」
極月へ分厚い封筒を差し出した。
「お祖父ちゃん、おおきに」
お祖父ちゃんの頼みやし、
ちょっくらトラジはんの住む東京まで
行ってくるとするか……
けど……一体ワテに何の用があるんやろ……?
わからないまま身支度を整え、
迎えに来た黒塗りのベンツに乗り込んだ。
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