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「もう…また電気つけっぱなしだよ。誰だぁ?」
玄関の中で、彼は呟きながら片手で私の靴を脱がせてくれた。
「あぁ…靴の中も水浸しだ。気持ち悪かったでしょ?」
「…あっ…はい…すみません」
男の人の背中におぶさったまま、靴を脱がせてもらうなんて、初めての経験。
顔から火が出そうなくらい恥ずかしかった。
「あの…もういいですから…歩けると思いますし…ちょっと拭かせて頂くだけで…帰りますから…」
どこへ…帰るの…
「ん?足の具合い診てからね」
彼は私をおんぶしたまま、長い廊下を歩いてリビングに入り、大きなソファにそっと下ろしてくれた。
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