79人が本棚に入れています
本棚に追加
「シャワー…浴びる?」
「…えっ!?……」
「だって雨に濡れたからさ。着替え持ってるでしょ?手貸すよ?」
着替えは鞄に入っていた。
でも……
「…大丈夫…です…クシュン…」
「あははっ。くしゃみしてる。足痛むと思うけど、シャワーゆっくり浴びればいいよ。脱衣場までは、手貸してあげるから」
私のくしゃみに顔をくしゃくしゃにして笑う彼に、なんだか気まずくなりながら、小さく頷いた。
「よし。じゃあ、ゆっくり立ってみようか」
立ち上がり、両手を差し出した彼の手に、戸惑いながらも両手で掴まり、右足を庇って立ち上がる。
彼の左手が滑るように私の腰を支え、右手で私の鞄を拾ってくれる。
「…すみません…」
「ん?大丈夫だよ。暫く誰も帰らないから、安心して?あっ、まだ名前聞いてなかったね?」
「名前…ですか?」
最初のコメントを投稿しよう!