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「うん、名前教えて?」
「あ…ユリ…です」
「ユリちゃん?綺麗な名前だね。俺はユチョン。パク・ユチョン。よろしくね」
パク…ユチョン…やっぱり日本人じゃない。
とても流暢に日本語を話すけど、なんとなく違和感があったのはそのせいなんだ。
「パクというと…」
「ん?韓国人だよ。仕事で日本に来てる。はい、ここだよ。後は…手伝いたいけど、ユリちゃんに失礼だから。大丈夫かな?」
「あ…はい。ありがとうございました」
白いドアを開けて、鞄を中に置いたユチョンは、ニコッと微笑んでドアを閉めた。
脱衣場の中の壁に寄りかかりながら、鞄の中から着替えを出そうとすると、手に触れたのは一枚の写真…
そう…別れた彼と私の写真だった。
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