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少し冷たい風が、そっと私の頬を撫でる。
ゆっくりと過ぎてゆく時間が、本当にこの胸の傷を癒してくれるのだろうか…
いま目の前に揺れるカーテン。
その部屋には似合わない。
「その部屋には…グリーンのカーテンなのに…」
私の言葉を拾ってくれる、あの優しい笑顔は…もういない。
胸の中がざわめいて、景色が滲んでゆく。
溢れ落ちないように…
これ以上過去に戻らないように、顔を上げて空に視線を移した。
雲一つない青空が、いまの私と正反対で、その隙間を埋めるかの様に、一筋の涙が頬をつたった。
「もう…戻って来ないのに…」
空に小さな飛行機が、キラキラと輝きながら飛んでゆく。
まるでたくさんの幸せを、運んで行くかの様に…
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