始まり

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-長渕 亜李蘇(ナガブチ アリス)の場合- 「空が蒼い…………。」 机に肘をつきながら、ボーッと外を見る。 隣の工場から出ている煙が珍しく白い。 グラウンドでは数名の男子がドッジボールを力一杯やっている。 (ガキが) 窓の上から長い髪の何処かで見た事のある女の子が墜ちていった。 「……ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!??」 ガタンッと音を出して席を立つ。 窓にダッシュで近付いて下を見る。 「……あれ?」 何処にも少女なんかおらず、平和な光景が見えるだけだった。 「何で?」 下を見た体制のまま不思議に思っていると、頭に衝撃が来る。 『あぁ――――っ!』 さっきまでドッジボールをしていた男子達の声が聞こえると同時に、景色がどんどん上に上がっていった。 そして思い出す。 落ちていたのは小さい頃の自分だと…。 .
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