日常の終わり

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――!? 突然、背後から声が聞こえ反射的に素早く振り向く。 咄嗟の事だったので、某新世界の神の有名な振り向きポーズ見たいになったのは気にしてはいけないと思う。 「おや?」 そこには一人の見知らぬ男が。 いきなり部屋の中に知らない男が立っているというありえない状況について行けず言葉がでない。 「……落ち着いて下さい。怪しい者ではないですから」 そう言われても警戒はし続ける。 怪しくないと言われようが、人の部屋にいつの間にか居る時点で怪しいのは確定だ。 何か武器はないのか……身を守れる武器は。 手探りで探したが、近くには借りてきたDVDのケースとリモコンしかない。 くっ……武器になりそうなものがない! 身を守れる武器がないならば安全の為にも、相手を逆撫でするようなことはせず、友好的に接するべきだと判断する。 「こ、こんにちは?」 とりあえずは挨拶だろ、と考えて挨拶をすると男は一瞬きょとんとした表情を浮かべた。 かと思えば今度は突然笑いだした ……よくわからないが、とりあえずファーストコンタクトは成功したようだ。 男に敵意はない様子。 それにより、ゆっくりと相手を観察するくらいの落ち着きと余裕が生まれた。 目の前にいる男の顔はイケメンだ例えるなら古泉みたいな。 髪の色は見事な銀色だが。 服装は、どこぞの怪盗よろしく純白のスーツ。 この暗い室内で、その存在感は圧倒的だった。 男は俺が落ち着きを取り戻しつつあるのに気付いたようで笑顔で話しかけてきた。
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