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「全く。今年2回しか会ってないから何してるのかと思えば家出しまくったんだって?」
シャルにギロリと睨まれた。
俺はヘビに睨まれたカエルのように、動けずにいる。
シャルは苦手だ……。
「しかもランディとホークどころか、ミルカまで連れ回したんだって?」
「あの3人は勝手に着いて来たんだもん。俺知らない」
シャルに通用するはずないのを知っていながら、俺は言い訳をする。
「3人ともリュカを心配して着いて行ったんでしょうが!? 何言ってんのよ全く!! しかもランディとホークだけならともかく、ミルカまで連れ回して……。アンタそれでホントに王族なの!?」
うわ~ん、俺のせいなんですか!?
なんだか泣きたくなった俺。
「人の事情、何も知らないくせに!」
俺が一言そう言う。
「ええ、知らないわよ! アンタみたいな女の子を危険な旅に連れ回す最っ低な男の事情なんて!!」
二言返すシャル。
結局30分くらい言い争って、俺が負けた。
「ぐす…………」
なんか惨めで泣きそうになる俺。
「男が泣くんじゃないわよ!」
シャルがそう言ってきた。
泣かしてんのは誰さ?
「男勝り。そんなんだと嫁の貰い手無くなるよ」
ガンッ!!
顎を殴られた。
この力、シャル本気だ……。あ、涙出てきた。
「失礼にも程があるでしょ!?」
お願い。誰か助けて……。
「…………男勝り……」
俺は涙目でやっとそう言った。
ガンッ!!
ハーフパンツのシャルに蹴られました。痛いよ~。
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