第二夜

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 俺はわざと剣を鞘に収めてそのまま力一杯鎧に当て、3人の兵士達の鎧を砕いてやる。  高温になった直後に急激に冷やすと鉄ってもろくなるんだよ? 知ってた?? 「さ、どうする? 今ならまだ、見逃してあげるよ」  俺は兵士達にそう訊ねる。ここまでやられて、まだ続ける?  俺がもう一度考える時間をあげたら兵士達はさっさと逃げ出した。  よし、終わり。 「ん~と、確か村から少し離れた所に湖があったよね……。村に入る前に、そこで身体洗ってこ」  俺はそう言って歩き出す。  ランディ達もいないし、自分のペースで旅出来るって結構いいな。その分面白い事もないけど。  俺はのんびり街道沿いに歩いて行く。  あ~あ、つまんない……。ランディ達はどうしてるのかな~? 今度は俺より遅く来てたりして。だとしたら面白いな~。  その時、俺の目の前を何かが走って行った。  あ、うさぎ!  俺はちょっとうさぎを追いかけてみる。  どうせ一人旅だもん。いくら寄り道したっていいよね?  街道を外れてうさぎを追い掛ける。そういえばうさぎって食べられるんだよね? 美味しくないけど。俺は子羊の肉の方が好きだな。  うさぎはそのまま森に入って行った。俺は地図を出して見る。  ……ちょうどいいや。村に行くにはこっち抜けた方が近道だ。  本来の目的に戻って村を目指す為、俺は森に入った。うさぎは見失ったし。  時間はまだ11時。太陽はギリギリ東にある時間。太陽を背に歩けば、村に着く。蛇と熊には気をつけよ~。  それにしても、なんだかダルイ……。いつかのように、風邪でもひいたのかな?  俺は呑気にそう考える。そして身体がダルイのに木の実を集めながら歩く。  今日のお昼は何にしよう……?  
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