あのとき

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――――…… ―――… 大樹が死んだ。 あっけなく。 人って、あんな簡単に死ぬんだね。知らなかったよ。 手術が終わって数時間後、容態が急変して何もできず立っていただけ。 ただ、見ていただけ。 今日は、12月23日、クリスマスイブイブ。 大樹のお母さんに呼ばれて家へ向かっている。 ピンポーン 「はーい あら、いらっしゃい」 「どうも…」 笑っていた。悲しみを隠すように… 「あのね、早速なんだけど、これ……大樹が持っていたものなの…」 そう言い取り出したのは、あの日大樹が持っていた包装紙に包まれた何かだった。 「これ…何が入ってるんですか?」 「わからないの。まだ、開けてないから。紗耶ちゃんに開けてほしいの」 少し躊躇しながら恐る恐る開けた。 中身は…
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