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今日もいつもと変わらない。
朝の九時には新八が来て家事をする。自分は仕事がこない限りダラダラと一日を過ごす。今も昔も何にも変わらない。
一つ昔と違うとすれば、もうチャイナドレスの少女はいないということ。
「銀さん起きてください!!もうお昼ですよ!!」
襖の向こうから自分を呼ぶ声に、銀時はのろのろと起き上がる。起きてまず目に入るのは、いつも押入れだった。多分、もう誰も出てこないそこを見つめて、銀時は一人呟く。
「おはよう神楽。」
なんてな。
自分で言いながら、銀時は自嘲気味に笑う。
神楽が万事屋を出て行方不明になり、十年が経った。既に銀時は三十路を越えたが、銀髪天然パーマも相変わらずだ。新八はここ十年の間に鍛練を積み、今ではそれなりに剣を扱えるようになった。しかし、道場の経営をしながらも、今だに彼は万事屋で家事をしている。
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