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(あれから十年経ったのに、俺も新八も変わんねえな。)
別れは何度も経験してきた。それらは全て乗り越えてきたつもりだ。にも関わらず、ある少女との別れはどうにも吹っ切れていないらしい。頭の何処かでは、また昔のように顔を出すのではないかと思っている。女々しい自分に嫌気がさしながらも、その思い出を消し去る事が出来ないのは事実だった。
「銀さんってば!!」
「ヘーヘー、わかったよ。」
また新八に呼ばれて重い腰を上げる。万年床はそのままに、銀時は襖を開けた。
「もうお昼ですよ!!そこにある朝食兼昼食を食べちゃって下さい。」
「おー、毎朝ご苦労。」
少しばかり不機嫌な新八に生返事をし、テーブルの席につく。銀時は、用意された朝食兼昼食の匂いを吸い込んだ。
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