赤い瞳

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警報が鳴る少し前――― 黒いローブを纏った人影が、今到着した船の外壁から降り立った。トンッと軽く着地したのだが、足元がおぼつかなく、今にも転びそうになる。そこを何とか踏み止まり、周りを見渡した。 (ここは何処…?) わかるのは、随分発展している星らしい事と、治安が悪くない事。何処かで見たような文字の並ぶ看板を見て、嫌な予感が過ぎる。 (まさか、地球?) 地球―――そこは、絶対に訪れてはいけないと教えられた星だった。詳しくは聞いていないが、危険だと何度も言われた。そんな地に自分は来てしまったらしい。いつもならこんなミスはしないのだが、今回は本当に余裕がなかった。 (やばい…でも、治療しないわけにはいかないし。) そう心の中で呟いて、ローブの中で自分の左腕に触れる。そこには銃弾が二発撃ち込まれていた。右腕は動かせるが、鈍い痛みが続いているし、背中には小型ナイフが三本刺さっていた。さすがの夜兔でも、ここまで傷をおうと体がいうことを聞かない。何処か、休養をとれる場所を探さなければ。 そう思考を巡らせていた時。 「おい。」 鋭い声に、呼び止められた。
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