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振り向かず、舌打ちをする。酷い傷と体力の消耗は、夜兔の力を下げるものではない。自らの命が危険に曝されるほど、夜兔の能力は高められるのだ。それにも関わらず警備員に包囲されるのを許してしまったのは、予想以上に体力を消耗していたのか、それとも。
(夜兔の血が、戦いたいと言っているのか。)
唇を噛み締めて俯く。自分の内でほくそ笑む化け物が自分の本性だと思うと、恐怖と焦燥に襲われた。
(でもここで捕まるわけにはいかない。)
心を決めて振り向く。そこには5人の黒服を着た男達がいた。
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