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「総悟、無事か!!??」
「もっと早く助太刀しろよ土方死ねコノヤロー。」
総悟は朦朧とする意識の中、目を開けた。
「悪い、あそこまで速く動けるとは思わなくてな…。」
土方はばつの悪そうな顔をして、総悟から視線を移す。総悟も同じように、土方の視線の先を見た。
「殺してませんよね?」
隊士達により救急車に運ばれていく少女を見て、総悟は尋ねる。頷いて、土方は言った。
「麻酔銃で眠らせて、病院に運ばせてる。夜兔とはいえまだ子供だ、殺しやしねえよ。」
それに、と土方は続ける。
「ここ十年で初めてチャイナ娘の情報を掴んでる奴を見つけたんだ、死なせるわけにはいかねえだろ。」
「その通りでさァ。」
総悟は先程の少女の様子を思い出す。“神楽”という単語に以上に反応していた。それに、彼女の口から出た“春雨”という単語。それも重要だ。
(何しろあの海賊には、神楽の兄貴がいるんですからねィ。)
銀時から話で聞いた、残虐な神楽の兄を思い浮かべる。
(もしかしたらあの子供は、とんでもない情報を握っているかもしれねェ。)
そう胸中で呟いて、総悟は静かに目を閉じた。
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