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prologue:天使の翼
『エンジェルグレイス』(通称『天護』)は、30年前に東の大国ミカエラスの地に落ちてきた『銀翼』と呼ばれる装甲を元にして、ミカエラスの科学者である天駆神耶(あまくこうや)博士が25年前に開発した特殊アーマーだ。
これは、光エネルギーを原動力として、光を可視可能かつ形を持つ『光波』というものに変えて動かす。
その名前は『天使の加護』を意味していて、常に所有者(オーナー)守るように周囲に光波でバリアを張っている。
使用しないときは色々なアクセサリーの形になって、所有者(オーナー)の邪魔にならないように設計されている。
初めは軍用として利用され、単純なデザインの物しかなかったが、15年前にスポーツ競技用として採用され、ファッション性を増した物も作られるようになった。
僕が持っているのは8年前に開発され、従来のものに『とある機能』を付け足し、発売に向けて今も改良が続けられている試作品で、外観では『ナイト型』というシリーズに入る。
試作品ということで、時々研究所にメンテナンスをしに行かなければならないという面倒はあるが、いろいろと使い勝手がよく(他のを使ったことがあるわけではないが)、気に入っている。
そんな天護の元となった『銀翼』だが、使用した者を狂わせる『呪われた機体』として忌み嫌われ、今はエンジェルグレイスの新兵用機体の保管庫の一番奥にひっそりと飾られている。
さて、みんなに天護のことを分かってもらえた所で、物語へと行くことにしよう……
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