父と娘

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ぱん、ぱん、ぱんっ 渇いた音が三回響いた。ユウは一瞬、何が起こったのかわからなかった。ふと手を見れば、他人の血がべったりと付着している。その時になってやっと、ユウは総悟に抱きしめられている事に気付いた。 「ッ沖田!!??」 神威はこれを狙ってユウを撃ったのだ。頬にかかる蜂蜜色の髪は薄汚れていて、今飛び散った血が生々しい。顔を上げた総悟は苦しそうに笑い、 「あん…たが、死ん、だら、…神楽が…泣く…だ、ろ?」 そう言った。 「ッ馬鹿だろお前!!なんてこと…ッ!!」 ユウは何故か流れてくる涙をそのままに、総悟を抱きしめた。ふと前を見れば、また引き金を引こうとする神威が見えた。 「やめろ!!!!」 ユウの悲鳴が響き渡る。 ちょうどその時日が沈んで、闇が徐々に空を覆う。 そして白い満月が、鈍く輝きだした。
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