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その頃ユウは、屯所の一室で部屋の片付けをしていた。彼女の傷が癒えたので、隔離場所が屯所に移されたのだ。とはいっても扱いは犯罪者というより女中と同じで、真撰組隊士の手伝いをしていた。まだ幼いが神楽に似た面影の彼女は可愛く、男らしい口調とのギャップが合間ってすぐに真撰組に受け入れられた。もちろんこの待遇は特例だが。
「ユウさーん、次台所に来て下さーい!!」
「わかった。」
山崎の声に、ユウは一つ結びにした髪を揺らして振り向く。年末の今は何処も忙しく、屯所に残った隊士達は総出で大掃除をしていた。
「ったく、何で俺がこんな事しなきゃならないんでさァ。」
「文句言うな、さっさとそのダンボール隣の部屋に運べ。」
非番だった総悟と土方も例外でなく、部屋の片付けを強制されていた。埃っぽいダンボールを持ち上げ、総悟はノロノロと廊下を歩く。
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