3人が本棚に入れています
本棚に追加
続いて廊下に出た土方は、ふと外を見た。屯所の中庭を掃除する隊士達の向こうの、白い塀を眺める。その瓦に、人柄が見えた。
「は?」
もう一度見てみるが、既に姿はない。オイ嘘だろ、と呟く土方に総悟は冷たい視線を向けた。
「何ぼーっとしてんですかィ、しっかり働けよ土方コノヤロー。」
「んだとテメェ!!」
ぎゃいぎゃいと二人は喚き合う。
そんな二人の視界の端で、血柱が立ち上がった。一瞬のうちに、庭掃除をしていた隊士達が骸と化す。
「なっ!!??」
反射的に二人は飛びのく。手に持っていたダンボールを投げ捨て、土方は刀の鯉口を切った、その時。
「副長さん、見っけ。」
ゴツリと、冷たい金属の感触が喉に伝わる。番傘に仕込まれたマシンガンが、土方の喉に突き付けられていた。
「はじめまして。急なんだけど、神羅いるかな?」
布の奥に隠された瞳が、鮮やかに笑った。
最初のコメントを投稿しよう!